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Give me please

ほらまたキミは

ないものだけを見つめてる

手に入ってないもの 隣の人は持ってそうなもの

だって私は苦手だから

だって私はできないから

私は 私は ダメだから

でもね 私 ホントはほしいの

できることなら 手に入れたいの

愛も 友情も 仕事も お金も

それをもらえたら 私は幸せになれるでしょ?

だからホントはほしいの Give me please

ねえ じゃあ 聞いていいかな

ある日 理想の人が現れて

あなたは ドキッとするだけでよくて

その人が 愛も 友達も お金も 仕事も

捧げ続けてくれたら 与え続けてくれたら

あなたは本当に絶対 とても幸せになれるかな

あなたは何も しなくてよくて

理想の人を通じて 友達が勝手に「あなたが好きです」って寄ってきて

誰かから「あなたにはこの仕事がお似合いです」って渡されて

それをこなしたら お金がたっぷり手に入る

理想の人は あなたをとても愛してるって言ってくれて

あなたと一緒に住む家を用意してくれて

服も用意され

食事は誰かから常に提供され

お風呂が入りましたよって 入れられ

ベッドが用意され 就寝の時間です と言われ寝る

あなたが幸せに暮らしていけるよう

すべてすべて その人が手配してくれる

あなたは何も考えず

全部与えてもらって その通りにしていれば

全部手に入るし 傍目からはとてもとても 幸せにみえるよね

ねえ それはどうかな あなたはそれなら 幸せに なれるかな

それはちょっと 違うかな

まるで赤ちゃんみたいだもの

私は 私の好みがあるの

好きな食事 好きな仕事

友達だって自分が 仲良くなりたい人 選びたい

好きなときに お出かけしたいし

服だって 自分で選びたいわ

赤ちゃんみたいには やっぱり 生きたくないわ

おやおや でもキミはさっき

いろいろもらえたら 幸せだと言ったはず

与えてもらってるのに どうして自分から 動く必要があるんだい

ないものをねだり

自分が手に入れられないと決めつけ 嘆き続け

与えてもらったら 今度は不満?

違うの そうじゃないの

程度の問題なの

全部 与えてほしいわけじゃなくて

私が選ぶ 自由はほしいの

じゃあキミ でもそれは

自分からやらなくちゃいけないよ

自分から選び 取りに行かなくちゃいけない

幸せになれないのは 周りにないせいだと言ってたよね

じゃあ何かい ステキな選択肢だけを ずらりと並べてもらって

愛する人も 友人も 仕事も 家も 食事も 服も

自分が選びたいってわけかい?

そうね そうかも いいものだけ 並べてもらって

私が選べば 必ず手に入るの

そうしたら 必ず幸せになれるわ

それはね キミ 誰が並べてくれるの?

そんなことできたら 世界一の王様じゃないかな

それにね キミ 何より大切なこと忘れてる

外に出てごらん 愛する人 友達 仕事 家 食事 服

キミが自分で選びたいものは

そこに全部 揃ってる

だから もう! 言ってるじゃない

私にはできないって 私からはできないって

確かに私は選びたいわ でも自分では並べられないわ

そうよ だからね 足りないものを見つめるの

見つめていくのよ これからも

そうよ そうよね ずっとできない 私には

だから 永遠に Give me please

……だって 今あるものは 私

そこに万が一 いいものあったとしても

できないから 見ないもの……

ゆるいの上等!

ゆるくたって いいじゃない

ぬるくたって いいじゃない

そんなのダメに決まってる! という人ほど ふだんから

キリキリ キリキリ 自分を叱咤してイジメたり

ギリギリ ギリギリ 自分を卑下して苦しめたり してるからさ

ダメに決まってる! と叫ぶ その根拠は何なのさ

正しくない?

正しく生きてさえすれば立派ですごいわけ?

甘すぎる?

厳しくしつけさえすれば必ず成功するわけ?

違うよね

それって「ダメ」しか見てないよね

悪いところだけなんとかしようとして

いいところなんて 見向きもしない

人は 長所をホメられたら 成長し 能力が伸びるって言うよ

悪いところしか見えないんなら

あなたは自分の可能性を 自分で 叩き壊してる

これまでずっと 叩き壊してきたんだよ

疲れていたら 休もうよ

眠いなら いっぱい寝ようよ

いろんな野菜 ご飯 たんぱく質とミネラルも

ちょっとずつでいいから摂ってさ

イヤかもしれないけど お風呂にも浸かってさ

心の健康は 身体の健康で 少しずつ 回復できるから

ドカ食いも 絶食も 深酒もやめてさ

物理的に まずは自分を身体から 追い詰めるのやめてあげようよ

休ませてあげないと 傷 治らないよ?

ずっと血まみれで痛いまま

立派に努め 果たしあげて

その先 待ってるのが空虚なら

その立派って いったい何になるんだろう?

ゆるめようよ いまは

休もうよ まずは

楽しくすごそうよ 子どもみたいに

痛んでるからこそ いまは

ゆるいの上等!

できることだけちょっと来い!

それでいいのだ

人生の色

自分の人生は、地味で平凡でつまらない、と思う人がいる。

自分は、頑張りが足りなくていつもうまくいかない、

ダメな人間だと思う人がいる。

どちらも、自分の人生を過小評価している。

し過ぎであると言っても過言ではない。

生まれたときの環境に、違いはあるだろう。

単純に金銭的に恵まれている人は、恵まれていない人より幸運なのか。

たとえ金銭が豊かでも、小さな頃、身内からの愛が少なかった人も

なかにはいるかもしれない。

人として、どちらが幸せな子ども時代になるか。

一概には言えないが、単純比較が難しいことは容易にわかると思う。

では親の愛がなく、お金もない人は、最初から不幸な人生と決まっているだろうか。

いや、友情や恋人との愛情は、自分で努力すればつかみ取れる。

金銭的な面も、勉学や勤労に励んだりすることで、変わっていく。

平凡だからいや、という場合、何と比較しているのだろうか。

たとえば芸能人? 華やかな世界には、華やかさを保つ努力と、

そこで生き延びる競争が必要だ。

ある映画やドラマで、主役につける人は常にひとり。

主役に限らない、どんな役でも、常にひとり、の座を巡り

ずっと、必ず競争である。

事務所の力がいくらあっても、本人の努力が続かなければ、

延々と出てくる後輩にやがて座を奪われ、仕事はなくなる。

プライベートで街を歩いても、注目される。売れれば売れるほど。

何にせよ、派手な人は、その分、必ず裏で耐えている。

土を耕し、それを50年続けてきた人も平凡、ではない。

最初に入った会社を定年まで勤めあげた人も、平凡、ではない。

続ける努力、そこで生まれる出来事、感情、公私の歩みは、

誰であっても、誰かに語るべき何かを生み出す。

経験からつかんだものがあるからだ。

そんな経験もない、失敗の連続だ、という人でも、

その失敗は、必ず誰かの共感を呼ぶ芽を、含むのだ。

あなたが今、悩んで、苦しんで、立ち止まっていることでさえ、

きっといつか、誰かの、あるいは自分自身の役に立つことになるだろう。

人の人生で、まったく同じ経験を生きる人はいない。

一人ひとり違う。同じ色はない。

ただ、似た色があり、似た感情がある。

それゆえに、誰かの共感を静かに呼び起こすのだ。

だから。

今、悩んでいる人は、どうかそれを、恥じないでほしいと願う。

誰に話すことがなくても、あなたの人生の軌跡は、

やがて必ず、あなた自身を支えるから。

あなたの苦悩は無駄にならず、糧に変わるから。

もちろん、そのためには、人生の受け止め方、見方を、

変えていく努力はいる。

無いものねだりの自分を、

あるものに感謝できる自分へと。

ないものだけを見つめ、周りを恨み、うらやみ、

後悔し、不満だけで一生を終えるか、

あるものを見つめ、感謝し、そこからまずは始めるか。

その選択は、あなたの自由だ。

できることを、できるところから。できなければ、できるまで待つ。

立ち止まって悩み続ける自分をも、人生でいろんな色を備えるための

ひとつの経験として見つめていけるかどうか。

少しでも幸せに生きていくための視点は、

あなた次第なのである。

できれば幸せに、彩り豊かなことを楽しんで生きてほしい。

少しでも、少しずつでも。

心から、そう願う。