うまくいかなかったとき
イヤなことが起こったとき
つらくなったとき
それらの感情に
過去の同じように感じた気持ちを
覚えている限り 全部引っ張り出してきて
あのときもそうだった
あのときもダメだった
と 足し算する
今の苦しさに
過去の思い出の苦しみを
わざわざ 上乗せする
だから 余計に苦しくなる
そして
自分のことを嫌いになるための
根拠を 作り出すのだ
そのために
過去の失敗も
つらかったことも
苦しかったことも
怒りも ねたみも
わざわざ全部 ゆるすことなく
ずっと覚えている
ただ覚えているだけではない
記憶を繰り返すということは
そのなかでもっとも強かった感情を
さらに強化させることになる
それゆえ
思い出せば思い出すほど
その苦しさやニガさは
当時より 強くなる
強くしたものを さらに 上乗せするのだ
足し算 プラス 強化分なのだ
そりゃ 苦しいし
イヤだし
自分は嫌いだし
どうすることもできないと
信じられちゃうよね
今 起こったことについては
今なら「自分に対して」だけでも
対処できるのに
過去を足し算プラス強化するから
どうしようもないことのひとつが増えるだけになる
何もできなくなるし
何もしなくてよくなる
ただ 自分はダメだと
嘆き続ける根拠を
増やすだけになるのだ
過去は 変えられないし
増幅した分を 記憶をたどって
もとの量に戻すのも困難だ
そこはもう確かに どうしようもない
でも今から 変えられることはある
それは
足し算する
という行為そのものを
スッパリ やめることだ
過去の自分と 今の自分は
まったく同じだと思っているから
わざわざ 足し算するのだ
同じではない
毎日 違う
毎日 勝手に 変化はしている
日付が二度と同じでないように
あなたも二度と 過去の自分には戻れないし
戻る必要もないし
事実 細胞はどんどん入れ替わって
同じあなたではなくなっている
あなたの認識だけが
自分を変えたくないあまりに
同じなんだと 決めつけているのだ
わざわざ その考え方を選んで
思い込んでいるのだ
そのほうが 新しいことに
チャレンジしなくていいから
今の苦しさは 過去から続いている
分かってる範囲のことだから
安心なのだ
そうやって 人は わざわざ自分を
苦しい立場のまま 安定させようとする
いつまでたっても
苦しさは変わらないし それどころか
増幅させ 新たに感じた苦しさも付け足して
ますます 苦しいままになる
なぜ そんなことをするか
こんな私は いけない と決めつけているから
こんな私は許されないし
私が私を許さない と
決めつけているからだ
この先も苦しみが増幅する一方の安定と
また 失敗するかもしれないけれど
私は私でいいと 思ってみる新しい世界と
どちらが あなたにとって
怖くて 苦しいのだろうね
新しいやり方に 目を向けるのは
そんなに自分にとって いけないことなんだろうか?