敢えて釣られて時事ネタを。

ブログ読者さんに何人か、今回の橋下氏の発言について

触れられている方がいて、これは心の問題にもつながるな、と

思えたので、本来、私のような立場の者が

ここで書くべきではないのかもしれないけれど、

敢えて意見を書いてみようと思う。

私の感覚では、まず何より

「ごちゃ混ぜにするな、落ち着け、橋下くん」

と思える。

そもそも従軍慰安婦という存在が公式に

作られていたかどうかについて「そんな組織的な存在は

なかった」と、橋下氏は言っていたはずである。

それを今回、沖縄の暴行問題改善の話に「なぜわざわざ」絡めるのか。

もし慰安婦という存在があったとしても、という仮定自体が

最初の誤解を生むと思うが、

しかもその上で「それは時代的に仕方なかった」と、言った。

うん、もう完全にヤバイよ、それ。

あとからどんなに、意図が違う、趣旨がと言い訳してもさ。

従軍慰安婦が存在したかどうか、については、私の意見は今は割愛する。

あの当時、戦争という名の殺し合いを

本気で正当化できる非常事態だった、それは事実。

男には、定期的に解消したい性欲が、少なくとも女性よりは

強くある、これもまあ、比率的には事実だ

(すべての男性がそうではないだろうし、

性欲の強い女性だってもちろんいるだろう)。

でもね、「時代的に仕方なかった」というのは、

男尊女卑的だと「誤解」(わざとこう書くよ)されるでしょ、そりゃ。

では戦争中、近所に風俗がなければ、昔なら、

女性を無理やり犯してもよかったのか?

確かにお妾さんもまだいた時代だし、それを男の甲斐性、と

受け止めていた、少なくともそんなお父さんのもとで育った息子たちが

戦争に行っていたのだとは思う。

が、それでも昭和には入っていたあの時代、

強姦は公的には許されてはいないはずだ。

命がけで日本のために戦う人たちであれば、海外で他人を

無理やり軟禁し輪姦しても「仕方なかった」のか?

そうした男尊女卑的な思想がまだまだ色濃く残っていた、

そんな悲しい時代でした、とでも表現するなら、

ここまで非難されなかったと思うのだ。

「仕方なかった」さらに「今なら風俗を」と言うから、

おお、橋下、お前は心の中に、男尊女卑があるわけね、と

「誤解」されちゃうんじゃない?

じゃあ、例えば。

第二次世界大戦時代、実は女性軍人の集団も

いたことが判明しました。

彼女たちは、進攻(これも敢えてこう言っておく)した先の

現地の若い男の子を軟禁し、嫌がるのを無理やりずっと、

性奴隷にしていたのです。

そんな事実が出てきたら、それを誰か女性議員が今、公的な発言の場で

「仕方なかったよね、今と違ってホストクラブとか

なかったし、非常事態だったし」

と言ったら。

世の男性は、誰もまったく不快に思わないのだろうか?

どういう歴史・人権認識をしているか、それを言葉を使って

きちんと明確にするのが、議員という立場上、必要なのでは?

しかも弁護士という、言葉の法的解釈を

過去の職業としていたなら、なおさらのこと。

そうでなくても発言に気を配らなければいけない公的な人が、

軟禁のうえ長期にわたる輪姦も、あの戦争では

仕方なかった、なんて言い方すれば、たとえ自分の趣旨が

そこにはないにせよ、女性たちから怒られても

それこそ「仕方ない」だろう。

あの当時は非常事態ゆえの、また日本の価値観も含めての、

悲しい歴史があったかもしれません。

でも今の時代、沖縄で起こっている暴行問題は、

アメリカ軍のほうでも、性欲処理について何らかの対策を

積極的に講じることができるのではないか。

せめてそう表現していれば、少なくとも私は

おいおい、何をマズイこと言ってんだ、とは感じなかったと思う。

もし、ね。

非常事態だから、男性はまあ、性欲があるから、

外国人を軟禁輪姦しても、なんて、

その当時の男女なら、思ったのだとしても、よ。

今の時代の人間が「仕方なかった」と表現するのは

どうしても違う気がするのだ……。

そして、何より、ね。

されたほうは、自分が“汚れた”と思うのだ。

悲しいけれど、肉体的な接触があるがゆえに。

男でも、女でも、そう感じると思う。

それこそ、一度、男性にも想像してみてほしい。

(※注意 以下、強姦の描写的表現を述べます。

過去に悲劇に遭われた方には苦しいかと思いますので、

**********線で区切ります。ご不安な方は、

2本目の**********まで読み飛ばしてください。

敢えて今回、ここでそのような表現をすることを、

心から申し訳なく存じますが、なにとぞご容赦ください)

******************************

あなたが夜道を歩いていたら、突然、屈強の男が、

しかも自分が気持ち悪い、と感じるタイプの男が、立ちはだかりました。

嫌がるあなたを思い切り殴りつけ、メチャクチャな

恐怖心を与えられた上で、見知らぬ小屋にへ連れ込まれて押し倒され、

抵抗したらまた殴られ、最後には挿入されて、

耳元でハアハア言われながら犯されました。

それが終わったと思ったら、その小屋に軟禁され、

しばらくすると別の男が来ました。

そうやって何日も、何度も、あなたは犯され続けました。

******************************

それ、あなたは喜ぶ?

仕方ないと思える?

お尻もやがて気持ち良くなって、うれしくなるかな?

性欲があるから仕方ないんだよ、男ならわかるだろう?

なんて、耳元で何日も、ささやかれ続けてさ。

あなたが、しかも10代か20代前半の若者だったときに、

この経験をして。

その後、普通に暮らせるかな?

その経験、忘れられるかな?

ずっとあとになってから、どこかの政治家に「仕方なかった」と

言われたら、納得できるのかな。

そういう想像くらいは、本当に、

男性にもしてみて欲しいと思えるのだ。
< br />
最後に。

死んでいった兵隊さんたちの人権について、

その点にはまったく触れずに女性が抗議するのはおかしい、と

おっしゃっていた方もいたが、

それこそ、当時の軍司令部が兵隊さんたち個人の「命の権利」を

大切にしていたとは思えない。

当時の命と性についての人権は、対照的に

語られる話ではないだろうと思える次第である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

code