蒔いた種、の話

あなたは過去に、ある目的を持ち、

何かをしよう、成そうと、種を蒔いた。

その種を、育てようとした。

 

だけど晴れの日だけでなく、

雨の日も雪の日もあるように、

あなたの蒔いた種も、日々、

知らなかったいろいろな経験を

積んでいくことになった。

 

そんなの、知らなかったよ! と、あなたは言うかもしれない。

ここまでの想像なんて、出来なかったんだ!

アイツがあんなことをしてくるなんて!

 

うん、そうだね。

種を蒔いたときには知らなかったことを、

蒔いたあとに、わかることはある。

そしてそれが『自分の想像』を越えていたら、

そりゃ当たり前の話、あらかじめ予想することは難しい。

 

でもね。

困難は、どんなときにも、どんな場合にも起こり得る。

そのことは、知っていたよね。

 

そして、この困難というのは

「あなたにとって難しいと捉えられること」であって、

そう感じない人も、いるかもしれないことも。

 

自分には困難なことを、他者がやっているとき。

それは自分を伸ばしていけるチャンスであることも、

また事実ではあるんだ。

たとえ自分には向いていないことだとしても、

やり方の練習だけなら、他の人から学んで、できるから。

 

学ぶ気になれない、どう考えてもそれをやりたくない、っていうときには

もちろん無理する必要はないけれど、

そうでなく、本当は自分もできるならやりたい、と思える範囲のことなら、

苦しくても「よい練習」「よい別の学び」の環境は、

揃っているとも言えるのだ。

 

簡単な具体例を挙げてみようか。

口やかましい上司やお局さまとも、適当に距離を置きつつ、

差し障りのない範囲で付き合いをこなしている人。

だからと言って、へりくだったり、

陰で悪口・罵詈雑言をまき散らしたりもしない人。

 

じゃあその人は、どんなことを思いつつ、対処してるんだろう?

そこにはどんな「考え方」が、潜んでいるのだろう?

 

そういうふうに、もっと大きな視野で、

周りも含め別の視線で見渡してみることで、

今まで知らなかった世界、知らなかったやり方が

自分の周りに広がっていくことも、けっこうある。

 

上手くいかないから、と、想像の範囲から離れることもなく、

自分や相手にダメ出しをして、そこにとどまっているだけでは、

見えてこない世界があるかもしれないのだ。

 

それにね、少なくとも困難が来る前に、その状況に身を置いた、

その環境を選んだのは自分なのだから(たとえ無理やりだったとしても、

何らかの理由から、それをあなたは『許可』したはず。

逃げ出さず、そこに自分を置く、または至ることを、

イヤイヤであっても『受け入れ』はしたはずなのだ)。

 

だったらその「イヤなこと」からも、学べることは、あるのでは。

それらを自分のために、吸収してみても、いいのでは。

それによって、あなたの枠は、広がっていくのだから。

 

たとえすぐには上手くいかなくても、やがて、上手くいくかもしれないし、

また、状況そのものも、変わるかもしれない。

少しでも見渡し、自分が吸収できそうな部分に目を向ける『習慣をつける』、

その練習だけでも積むことはできる。

 

もしかしたらだよ、『習慣を見つけて積んでみる』を練習するためにこそ、

あなたはその場所に、自分を連れていったかもしれないのだ。

 

思ったことを上手にできることが、すべてではないんだよ。

当初の願いを叶える、その方向の成功だけが、

決してすべてではない。

 

失敗は、あなたがそう捉えるからこそ、

失敗というラベルを貼られる。

このことはこれまでにも何度か言ってきたけれど、本当の話なのだ。

 

であるならばもう、失敗、というラベルを貼るのをやめようよ。

当初、学びたかったこととは、違う学びになったとしても、

あなたの枠が広がるのであれば、それもまた良いこと。

 

それがもしかしたら、この先の自分にとって、

とても大切なきっかけにさえ、なるかもしれない。

 

ときには「休んでみる」という行為さえ、練習を詰めるのだからね。

 

自分が蒔いたと思った種がヒマワリでなく、

バラだったりあるいは芍薬や牡丹だったら?

思いがけず咲かせられたら、うれしくないかな?

そう、予想外であるならぱ、

それこそ、育ててみないことにはわからないんだよ。

 

だからね。

すぐに何でもあきらめないで、あるいは想像通りにならないと

怒ったり落ち込んだりばかりしていないで、

最初に何かを蒔いた、この環境を選んだのは自分だから、

学びになりそうなことを、探してみようという視点も、

持ってみていいと思えるんだ、自分のために。

 

文句や不満や自己卑下ばっかり繰り返したり、

上手くいかないからと苦しみだけを捉えないで、

他の部分、という意識を、少しでも持ってみてもらえればと願うよ。

 

あなたに超えられない壁は、そもそも、あなたのところに来ない。

これは他の部分に視野を広げてみることも含めて、

私には真実だと思える。

 

目的・目標に向かい合まっしぐら、も確かに悪くはないけれど、

何が何でも「予想通り」にこだわるのでなく。

種を自分が蒔いたことをゆるし、

蒔いた種から、想像通りの成果も、思いがけない実りも、

あなたがたくさん、受け取れますように。

 

2014_12_24

SWITCH BOX

 

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