暗闇に持ち込む「光」

私が初めて自分の鬱のことを

ある程度詳しく、

しかも全く知らないと言える人たちに

向けて話すことになったとき。

 

その直前まで、本当に1秒前までは、

こんな話をするのは迷惑をかけるだけなんだけどな、と思っていた。

 

ちょうど2人めの知人の死を知った数日後で、

私は休職中で。

その集まりは『直観力を養う』ことがテーマで、

それゆえに、1週間で気づいたこと、起こったことを、

参加者がそれぞれ、明かすための時間があったのだ。

 

最近の自分、というシェアリング(自分の思いや出来事を

単数、または複数の他者に打ち明ける)。

その主催者の方のことは信頼できていたけれど、

集まった方に対して、あまりに直近すぎる、

自分の身の回りの死をも含めての出来事を説明するのは、

さすがに迷惑だろうと思った。

 

でも主催者の人は、だいじょうぶだから話をして、と言ってくれた。

 

その言葉だけを信じて、本当に迷惑かけるのにな、と思って、

ドキドキしながら、ゴメンなさいと思いながら、語った。

 

そのとき必要なのは、自分の勇気だけ、だった。

 

そして当時は、他にも、抱えていた自分の闇があり、

そのことも話すように「仕向けられた」感じがしたので、

その感覚が本当かどうかわからないけれど、

もうなんか、何でもいいや、と思い、全部、打ち明けた。

 

途中から泣きながら、10分くらいは話したと思う。

泣きまくりながらも、言葉は、止まらなかった。

涙も言葉も、洪水みたいに湧いて出た。

 

そうしたら。

その場にいる全員が、私の痛みの言葉のどこかの部分を、

自分の痛みの経験と重ねて聞いてくれて、そのまま受け止めてくれた。

その場の雰囲気、空気が私にとって、ものすごく暖かいものとなり、

それがこちらに流れ込んで来た。

主催者の方以外、誰も知り合いではなかったのに、

皆が「共感」を示して、私を迎えてくれたような状態。

 

生まれて初めて「見知らぬとか、

そういうことは何も問題ではない」他者の

思いやりを全身で受け止められたような感覚。

 

主催者の方の、感想。他の方たちの、短い感想。

温かい気持ち一色の、空気感。

 

思いはね、エネルギーにもなり得るの。

それはね、あのとき、本当だった。

 

驚いたし、うれしかった。

明かしたことによるグッタリ感はあったけれど、

温かい、ものすごいもの、を受け取れた感じ。

湯あたりした温泉のあと、みたいな感覚だった。

 

安全な場所を見つけて、打ち明ける。

つまり自分の暗闇を、明かしてみること。

それは、暗闇の中でさまよって、ただひたすら、

むやみやたらに手を振り回して

その暗闇を追い払おうとするのではなく、

単純に、そこに勇気という『光』を持ち込んで、

自分の「恥とも言える暗闇に光を当てて見てみる」ことだった。

 

暗闇は、追い出したりしようとあがくことでは消えない。

そこに光を持ち込むだけで、暗闇は暗闇でなくなる。

 

この表現を、私は最近、ある本で読んで、

唐突に、あの明かしたときのことを思い出したのだ。

 

本当に、そうでした。

何かが、変わり始めた……。

 

だから、そういう使い方としてのカウンセリングを、

私は、おすすめしたい。

別に複数に対するシェアリングでなくてもいいから。

 

この状態がもう本当にイヤだから、先は見えていないけれど、

この暗闇を何とかしたいから、他者に打ち明ける、ということ。

 

くれぐれも『何かを得る』ためでなく、

自分の暗闇を明かすために『他者のところで勇気という光』を持ち込む。

そうするつもりで、それを自分ができそうな場所を、

ネットなどで探してみてください。

そしてこの人なら、という人のところへ出かけて、

どうか、いつか、打ち明けてみてください。

 

そのカウンセラーさんが有名か無名かは、どうだっていいのです。

あなたの『感覚』に合うと思える人のところで、

打ち明けてみてください。

 

自分の恥ずかしさと情けなさ、

自分の闇の過去、を。

 

今日は急に、そういうことを打ち明けてみたいと思えたので、

このようなブログ記事にさせていただきます。

 

必要なのは、たったひとつ。

自分を明かす勇気、です。

 

暗闇が強ければ強いほど、

明かす勇気、という光は、

あなたに機会を作ってくれます。

大きな気づき、という、機会をね。

 

どうかいつか、あなたが必要とする方の元へ、

あなた自身から、たどり着けますように。

 

2015_07_02

Photo by Jaxy
Pixabay

 

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