たとえばさ、
恋人同士の別れを、
捨てるとか、捨てられるって言うのは
なぜだろうね?
人は一人ずつ、別の感性を持っている。
皆、それぞれ、違う人間。
そこに優劣、上下関係をつけるのは
本当は、意味がないよね。
だって、赤と青と黄とピンクと緑、
ねえ、どれが一番、優れているっていうの?
『好きな色合い』は単なる好みの差だよね。
赤より黄色のほうが優れている、とか、
あいつは緑だったから捨ててやったわ!
とか言う人、おかしいよね?
そういうことに同意する人も、好みの違いを
勝手に優劣化してるだけだよね?
ホントホント、赤のほうがスゴイよ!
とか?
へー? 何それ?
赤の人にコビ売りたいの? くだらないねー、迎合趣味の風見鶏で。
え? 私は黄色だ、本当はピンクじゃなきゃいけないのに!?
って、その思い込みはなんだ?
黄色が存在しないと、世の中にピンク色、生まれてないんですけど?
要はね、あなたが勝手に、そうやって優劣をつけているの。
あなたが勝手に、良いとか悪いとか、判定しているの。
あるいは判定してくる他者の意見を、鵜呑みにしている、とかね。
人それぞれに、違いがある。
すると当然のことながら、合う部分と合わない部分があって、
合わない部分のほうが大きければ、一緒にいるのが苦しくなる。
そこでときには、お別れが、来たりする。
以上。
大きな部分で合わなかったけれど、あの人の青さは
青さとして、うん、素晴らしかったなー。
青とハーモニーできたことはよかったけれど、
合わないのであれば、他の青色も知ってみよう。水色? 藍色?
あ、でも今度は、緑の人でもいいのかも?
別れのあとに残るのって、それだけ、でいいんじゃないの?
それ以外、何を残してるの?
それにさ、実は無理して自分の色を変えてまで、
相手に合わせようとするから、関係がおかしくなったり、していない?
黄色なのに赤のふり、してみたりさ。
相手に赤のほうが好み、って言われた瞬間、
自分の青色、全面否定してみたりさ。
それってまるっきり、自分の良さ、放棄してるんだよね。
だって緑になんか、良いところないのよ!
って、おいおい、緑は心を落ち着かせてくれる色No.1だってばさ。
何を血迷ってるわけ?
相手の意見ばっかり?
他人の意見が『正しい』ばっかり?
相手が常に優位?
あるいは逆に、自分がいつでも第一位?
それで延々、自分を見失い続けて、違いに固執し続けて、
そこから派生する不安や不満ばかり味わって、
いったいどうやって幸せになるのさ。
それだけ自分の色をさ、他人の都合に合わせて変えていれば、
自分が何色かも、もう、わからないでしょう?
それだけ否定したら、そこまで優劣つけ続けてきたら、
いったいどの色が本当は優れているかも、
もう実は、確信出来なくなっているでしょう?
まあ、その優劣に対する感覚自体、ただの思い込みだしさ、そもそも。
他人とうまくいかせるために気にすることって、
他人の意見に従うこと、だけがすべてじゃないよ。
あなたの色、私の色、それぞれの良さ、それぞれの違いを
『お互いで』知り合っていくからこそ、
違いの部分でケンカしつつも、喜びやうれしさが生まれるんじゃない?
黄色と緑のハーモニーから生まれる新鮮な黄緑色を、
赤と青のハーモニーから生まれる高貴な紫色を、
お互いが一緒に混ぜるからこそ、楽しめるんじゃない?
そのためには、あなたがまず、自分の色を知らなくちゃいけないのよ。
あなたが自分を見失って否定しまくってばかりいたら、
あなたが何色か、相手にも、まったくわからなくなる。
あなたとはハーモニー、味わえなくなる。
こっちの色に染まろうとする一方で、
新しい色合い、味わわせてはもらえないもの。
あなたが、自分というものをきちんと見せられる、
つまり自分を信用していかなければ、
他者からも本当の意味では信用されないよ。
あなたがどんな人か、わからないままだから。
だから言うの。
自分を見失って、相手にばっかりすがろうとするのは、
ある意味、自分を他人に変えてもらおうとする甘えだと。
自分の色は、自分で知り、なるほど、と確立していくものであって、
相手になんとかしてもらおう(気に入るように形作ってもらおう)と
する種類のものではないのよ。
あなたが、自分を見捨て過ぎていて、
あなたが、自分を知らなさすぎのまま否定だけをしていて、
なんとかしたい、とか言って、
他者に頼ろうとするから、相手はハーモニー、受け取れなくなる。
あなたに命令するしかなくなる。
しかも自分の色ばかり、提供させられている気持ちになるの。
そんなの、ある意味、ズルイと思わない?
緑色の良さ、赤の良さ、黄色の、青の、ピンクの良さを、
それぞれ知っていけば、いいんじゃないの?
え? 茶色? 大地の色、すべてを生み出す色。
黒色? すべてに合う色、違いを明確にしてくれる色。
濁った緑? うん、それはただのグラデーション、
あなたは緑をちゃんと含んでるよね。
ねえ、そうやって優劣をつけるから、幸せじゃなくなっていくんだよ。
もう、優れているかどうかとか、そもそもそういうの、やめたら?
『違い』に優劣をつけたがること自体、やめたら?
相手と自分の違い、許したらどう?
なぜ優劣を『つけなくては気がすまなくなってしまったか』、
そっちの原因のほうを先に、知っていこうよ。
それに、他者と合わせてみるなら、ハーモニーを生み出すためにやろうよ。
染めたり、染められたりする世界からは、
いい加減、目を覚まして、離れようよ。