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もう一度 否定について

自分を否定しやすくなっている その頭を

酷使することで 得られるものは 何もない

鬱という病のなかでは 否定は確かに続きやすい

でも それを続けたら 失っていくだけだ

自分への 残っていた信頼の欠けらも 環境も 人間関係も

自死という選択肢は 魅力的に思えても

そこへたどり着くために あなたはこの先 さらに何かを失い続け

自分を傷つけ 落としめ 苦しませなければならないだろう

本当に 自分の生活を 取り戻したいなら

今の弱い自分を まるごと受け止め 休み ゆるめていくしかない

そこでいったん 立ち止まり

自分がどれほど 自分を痛め 傷つけ 苦しめてきたかを

自覚することが 必要なのだ

何をきっかけに 自分は 自分を嫌っているのかを

どこをどんなふうに 否定しているのかを

それは いつから始まったのかを

そして何より なぜあなたは そのとき自分をそう捉えたのかを

まずはただ 知っていくのだ

それは誰の教え? どんな教訓? どんな価値観?

それらを見つけていくと

自分が ある出来事を どう捉えたか

鬱になるきっかけは なんだったのか

そういう「今まで放置していた 心のごりごりした固まり」を ほどいていくことができる

それがほどければ 文字通り 新しい考え方 新しいやり方が 「勝手に」湧いてくる

あなたのなかに あったのに あなたには見えていなかった「こうすればいい」が 見えてくるのだ

だから ごりごりの固まりのまま 自分を評価し続け 否定するのは もうやめよう

カウンセリングなどのサポートを受けたり 自分で文字にして 書いてみたりしながら

自分の固まりの「中身」を あらわにしていこう

もちろん 鬱という病気の「波」や「症状」を 丁寧に乗りこなしながら ね

あなたのなかの 固い大地の下には 学びを得た新しい「生き方の種」が埋まっている

それを耕し 水をやり 芽生えさせ 成長させられるのは あなただけ

他の 誰にも なし得ない あなただけの種 あなただけの 貴重なものなのである

いつ 始めるか

息をする = いきをする = いきる

どこかの本に 書いてあった 生きるとは そういうシンプルな ものであると

歩けること 走れること 食べられること 笑えること 泣けること

働けること 学べること 気の置けない人と のんびり時間を過ごすこと

家でテレビを観て座っていられること 眠れること 眠れる場所があること

お風呂に入れること お酒を飲んで一息つけること 甘いものを食べてホッとすること

病や お金や 家族の都合などにより こうしたことができない人が それぞれにいて

その人にとっては あなたは「できている」人になる

恵まれていること云々 と言っているのではなく

あなたが すでにできていること こんなの当たり前だと思っていること

それらが 実は「そうあるように」あなたがちゃんとしているのだということに 気づいてほしい

親から与えられた 努力はしてない と思っていても

悲しいかな 親子関係が上手くいかない人だって たくさんいるのだ

あなたが もっているものは あなたが思っているより ずっとたくさんあって

あなたは あなたが思っているより ずっとちゃんと していて

あなたがそこまで否定するほど 自分がひどいものではないと 気づいてほしいのだ

健康な身体を保っていることだって すばらしい財産なのだから

もっているものを 痛めつけるのも 手放すのも 確かにあなたの自由だけれど

わざわざ 自分を壊し 自分の病を治していく気持ちが湧かないのは

自分が自分を ただとにかく 延々と 嫌っているからだということ 否定し続けるからだということ

否定してきたから 鬱という病になり 鬱という病になったからさらに 自分を否定しているのだということ

その結果 周囲を含むいろいろなことが うまくいかなくなっているのだということ

そうしたからくりに 悪循環というからくりに 気づいてもらえたらと思う

あなたは 自分を否定しなくていい 自分を 本当は もっと好きになっていい

あなたは もっとゆるく 自分を 大事にしていいのだ

いますぐでなくても どうか その悪循環に気づいて

あなたが本気で 自分を否定する罠から

抜け出そうとし始めてくれることを 祈る

それは「チャンス」を待つのではなく ただ あなたが決意すればいいだけだから

あなたが この自己否定をもうやめていく と 決意すれば その瞬間から 始められる

そのためのサポートも この国であれば 受けられるのだから

自分は 自分であっていい

自分は 自分であっていい

今は人から 理解が得られなくても 賛同されなくても

自分は 自分であっていい

自分は 自分であっていい

苦手なことがいっぱいでも うまく動けなくても なかなか ものごとが進められなくても

完璧な人など この世にいないのだし みんなそれぞれ 苦手はある

他人はすべて うまくやっているように みえるだけ

それと「比べる」から 自分を卑下してしまうだけ

そういう 脳みそのミス状態に なってしまっている今だから そう感じるだけ

どんなときにでも あなたはそこそこ 精一杯やっているし

そのとき もっともいいと思った選択を しているはず

わざわざ 事を荒立てようとして 何かもめ事を起こそうとして ややこしくしようとして

その選択を 行動を しているはずは ないのだから

そのときの自分にとって 相手にとって これでいいという選択をしているはず

それがうまくいかないときだって 普通にあるし

今だからすべて 動けない自分のことにつなげちゃうけれど

それは 病のせいだ はっきり何度でも言う 鬱という病のせいだ

病のときに 完璧に動けるなんて 無理な話なのに あなただけが それに気づけない

あなたが 自分を嫌がって 無茶させるから よけいに 失敗してしまう可能性も 高くなる

自分は どんなときでも この世にたった一人の 大切な人間で

自分は今 病であるからこそ うまくいかないこともあって

だからまずは その病から徐々に 離れてみようとするのが先であって

その過程で起こることを 全部 自分がダメなせいという理由に 置き換えなくていいのだ

置き換えれば 置き換えるほど 病のなかに深く 潜り込んでしまうから

うまくいかなくたって 今は仕方ないのに あなたは 自分を責め続けてしまって

それで余計に 病を深めて ものごとを うまく進められなくなっている

その悪循環に まずは気づいていこうよ 病であることを意識して ちゃんとしっかり 休もうよ

自分はいつのときも 大切な一人の 自分であって いい

みんな 一人ひとり 大切な自分 そうであって いいんだよ

もう 自分をいじめるのを やめようよ 病を認めて いたわろうよ 比較するのを やめようよ

あなたは ほかの誰とも違う だいじな 唯一の 人なのだから

あなたが あなたを 一番大切にしてあげて いいんだよ 本当に それで いいんだよ

そうしていけば あなたを取り巻く世界は 必ず変わっていくから

それは 本当に 本当のことだから