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命は ひとつ

あなたの命は あなた以外の 誰も持っていなくて

あなたも ひとつしか 持っていないから

私には それが とても貴重で大切なものだと 思える

人は生まれたら 自然にお迎えが来る日まで 細胞が勝手に「生きるように」設定されていて

だから 身体は 最後まで生きようとする

それをわざわざ 頭の中で言い訳をこしらえ 消そうとするから 混乱も生じてくる

自分自身が 生か死かを迷い

実際に死を選んだ知人もいて その事実を受け容れた以上

私にはもう 死を止める「資格」はないのだけれど

「絶対に 何が何でもダメ」と言い放つ自信も ないのだけれど

鬱という「病」によって 死に至ろうとする その過程は

もともとの設定に 逆行することになり

それだけでもう かなり苦しいことなので

できれば それ以外の方向も 知ってほしいと思える

今の瞬間 常に「死」だけが 選択肢ではないのだと

本当に あらゆる治療の努力も 人に話を聞いてもらうことも 自分を変えてみることも 全部試して

それこそたくさんの医者やカウンセラーからさえ サジを投げられるようなことにならない限り

あなたが その「病」を治し その思い込みを治す方法は 残されているのであり

わざわざ 自分にとってもっとも苦しい 死への道を  たどる必要もないのだと

この病気には 確かに波もあるし 自己卑下したくなる瞬間は 訪れやすい

でもそれはすべて「症状」であり あなたの頭の中が “生きようとするあまりに”ミスを犯すのだ

それほど 私たちは いったん生まれたら 生きる方向へ 導かれるのだ

少なくとも あなたの身体は お迎えが来た 最後の瞬間まで 生きるのだ

いつか自然に死ぬまで 生きるように設定されているからこそ その脳のミスが 苦しいのだ

その 脳のミスは 治していける

あなたが自分の自己卑下を いったん中断し

脳に 過ちを犯すほどの大きな負担をかける割合を 徐々に減らし

そのミスに至った 自分自身と周囲に対する受け止め方のポイントを 見つけていけばいい

原因が見つけられれば 対処もできる そうすれば 別の道もまた開くのだ

そのためにも 脳の負担をまず 減らすことを 自分で 覚えていこうとすることが 大切なのだ

ただもう イヤだから と そこにとどまって 同じ考え方のパターンを 繰り返す限り

あなたは ミスを見つけるのが 難しいままで ずっと囚われつづける

人に話したり 心のプロに相談したり 本を読んだり

気持ちを切り替えるチャンスは 探せばいくらでもあるのだ

どうか その ひとつしかない あなたの命を

頭のなかのミスによって どうでもいいようなものにせず

あなたの命が 大切な大切な 貴重なたったひとつであることを

もう一度 思い出してもらえればと願う

とんでもない言い方かもしれないが あえて言う

「死ぬのは一度きり」であり それこそ「いつでも自死は実行しうる」けれど

もし死の瞬間 後悔したとしても あなたは二度と それを取り戻せないのだ

だから あらゆる方法を 試してみてほしいと思う

ありとあらゆる方法を それこそ試し尽くしたあとなら 後悔も減ると思うから

何より 今あなたが思い込んでいる「もう 死しか選択がない」というのは

私には 本当は 嘘だと思えるから

あなたは そんな捨てたもんじゃない とても貴重で大切な人 なのだ

悲しいね

人は もしかして 自分を消す努力をする権利だけは あるのかもと 思うことがある

たとえば 知人ときちんと完全に縁を切り 山のなかで 誰にも関わらず

何十年も一人だけで生きて 自然とのみ関わって 一体化していれば

社会から離れ そういうくらしをしていれば そこで自然に 朽ちることを選択できるのかも と

でも 普通は そこまでの隠遁生活の努力は しない

必ず 誰かと関わりあって 生きていることになる

そうであれば 自分の味方が一人でもいるのであれば

自分だけが 苦しみから 逃れたいがゆえに

自死によって 味方をである人を 一生傷つけることが OKであると 思わない

あなたは 何の権利があって そんなふうにできるのだ?

本当は 自分が一番 自分をいじめ続けているのだということに 気づいているのに

その状況を 変えたいと 自分が叫んでいることに 気づいているのに

別の見方をすれば

自分が逃げたいから 人を 一生消えない苦しみに 追い込んでも構わないというのは

あまりにも 自分だけが かわいくて

あまりにも 自分だけしか 大切にできない

そういう ひどくわがままな 子どもでしかない

その思いが 病ゆえの あやまちであることでさえ

もはや見つめたくないと いうことなのだから

それくらい 苦しい思いを 今 あなたがしているのなら

どうして 自分の死によって 今のあなたの 同じ苦しみを

よりによって 大切な人に与えることが いいと思えるのか

あなたは本当に 大切な人を 今の自分の苦しみと同じ所へ追い込みたいのだろうか

自分が「そう信じ込む」ことによってでも なんとか 今の状況を変えたいのだということを

その 自分の叫びを どうして 無視するのだろうか

あなたは そんなにも 苦しんでいるのに

あなたは そんなにも 自分を変えていきたいと 感じているのに

どうして 自分のその声を 勝手に「自己否定」に変え 周囲を傷つけながら

すべて なかったことにするのだろう

人は どうして 病である自分を 認められないのだろう

どうして そういう自分を いつくしむことができないのだろう

小さい小さい 傷ついた自分を救えるのは 本当は自分自身なのに

少なくとも 病と向き合うことで そのドン詰まりの状況から 自分で 自分を変えていけるのに

それすらしたくなくて 周囲を巻き込み 傷つけても 自分だけが大事というのは

いったい 何を 守ろうとしているのだろう

そう あなたはいったい 何のプライドを 守りたいのだ?

傷ついた自分を 認めたくないというのは どんな幻想を 持っているのだ?

人より 自分より 大事な幻想って いったい何なのだ?

最後の最後で そんなものに こだわらなくてはいけないなんて 悲しいね

あなたの周りには あなたを 好きでいてくれる人がいるのに それすら わざわざ

見捨て 同じところへ落とし込んで傷つけるなんて そこまで幻想のほうが大事だなんて

命は 無限の可能性を もともと あなたに 与えてくれているのに

そこから変わって 新しい素晴らしさも いつかまた感じていけるのに

生まれてこのかた あなたは ずっと不幸でいた 不幸にさせられていたわけでもないのに

あなたが 自分が病であることを認め

その病を徐々に治し 新しくなろうと思うだけで

世界は今日から 変え始めていけるのに

最後の最後に 病の重さすら認めたくなくて 自分しか見たくなくて

大切な人のあなたへの優しささえ 思いやれない

最後の最後なのに それは本当に 悲しいことだね

変えていくための時間

とにかくなんとか治そうと 決して焦ってはいけない

それがこの病における 一番の 基本になる

焦ると 自分に余分なプレッシャーをかけ

それによって 作動の狂った脳みそが あらたに判断を誤ることもある

仕事 人との関係 自分自身の思い どんな状況であっても

無理に締切を設けたり ある時間内になんとかしてしまおうとするのは

極力 避けたほうがいいのだ

もちろん 仕事や 家族のことなど 期間が決まっているものはある

でも それを行うときの気持ちが 自分をきつく 追い詰めるようなものになれば

脳みその作動ミスの振れ幅は 大きくなる可能性が高まってしまう

自分の気持ちを 常に感じ よく見つめること

何かが苦しいと感じるとき 自分に違和感を感じるとき 「~なければいけない」と追い込んでいるときは

逆に少し 休憩を入れて ゆっくりしてみること

あくまでそれは 新しい自分へと 変えていくための 練習なのだ

真っ黒なところに落ちた 固まった気持ち そのカチコチのところから

徐々に新しい方向へ 柔らかくしていく そんな練習なのだ

それができるのは あなた自身である 他の誰かではなく あなただけなのである

広く 静かに 自分を見渡して 悪いところも含め どういう自分がいるのかを知り

それをどんなふうに 柔らかく変えていくのか そういう初めての練習をしていくのだ

ある出来事から 私は あなたは 自分をカチコチにしてしまった

虐待や身体的暴力という 命にかかわる恐怖がまつわるような経験では 他人の影響が大きいが

それ以外では 自分の受け止め方や 発想の 勘違いやズレも起こっていたはず

だから そのズレを探し 見つめて 苦しくない方向へ 変えていこう

何より 自分で自分を変える力が あなたにあったからこそ あなたは 心の病になった

あなたは 自分をさらに変えていく力を すでにもう 備えているといえるのだ

早く 変わりたい その気持ちはよくわかる

私も少しでも 早く新しくなりたかった

でも脳の作動の狂いを感じながら 練習していかないと

波の状態を感じながら 進めていかないと

うまく見つめられないうちに さらに勘違いを起こし

揺れ戻しのように 元の気持ちのところへ戻ってしまう

そうなるとさらにまた 自分で自分を 責めてしまうのだ

もう 十分に 自分を追い詰める経験はしたのだから

焦ってさらに 追い詰めてしまうことはせず

じっくりと 丁寧に 自分をみつめていこう

たとえすぐには変えられなくても 練習がスムーズにいかなくても

今 焦らないことが この先のあなたにとって とてもとても 大切だ

時期がくれば その練習は 自然に加速するのだから

それまでは 焦らずに 見つめながら 練習していこう