そして、出口の曲がり角を選択する日は、唐突に訪れた。
12月中旬に入ってすぐ、1本の電話がかかってきたのだ。
友人の夫からだった。
彼は、友人が事故で急逝した、と告げた。
友人は、最初に入った会社の同期。
バブルの時代に、社会人としての楽しい時期を、
一緒に過ごした仲間だった。
大好きだった。ずっと、私の理解者でいてくれた人だった。
最近は彼女の子育てが忙しく、
会うことも、連絡を取る回数も、減ってはいた。
でも、子どもが幼稚園くらいになったら
またゆっくり過ごそうね、と、お互い了解し合っていた。
まさか、よりによってこんなときに、彼女が死ぬなんて。
頭が真っ白になり、翌日の通夜のことを聞くだけで精一杯だった。
仲間内で、彼女と一番仲が良かったのは私だったので、
夫だった人は、最初に私へ連絡をくれた。
それで、他の仲間たちには私から連絡することとなり、
数人に電話して用件だけ伝え、待ち合わせ場所を決めた。
通夜の日。
葬儀の会場に入るなり、目に飛び込んできたのは、
笑顔の彼女の遺影と、真っ白な菊の花の祭壇。
「あの彼女は、もういないのだ」
それは、もう「衝撃」でしかなかった。
ずっと、泣き続けた。どんなに泣いても、泣いても、泣いても、
涙は止まらなかった。
彼女には、二度と会えなくなったのだから。
~つづく~