「黒い人」と向き合うときに・後編

知り合い編としてまず、会社のイヤな先輩に、「視点変換・客観視メガネ」を使ってみよう。

私の昔の経験だが、本当にお局さまのような女性がいた。

その日のご機嫌でまったく態度が違う。たとえば「今日は身体がだるいのよ!」という日は、

そう言い放ちながら、後輩に理由もなくイヤ味を言ったり、き~っ! と怒鳴ったりしていた。

皆、見て見ぬ振りしてたなあ……(^^;) ご機嫌が悪いと、後輩の小さなミス(回覧書類に確認ハンコを

つくのを忘れたとか、そういうレベル)で、「だからあなたはダメなの!」と今までの失敗を

並べ立てるような人でしたわ、いやはや。

さあ、過去の記憶だけど、この黒い人に。ドラえもん、メガネ貸して!

彼女は機嫌が悪いとき、自分が八つ当たりを「後輩にしていいもの」と思えている。

  ↓(第一段階)

どうしてこんなに機嫌が悪いかな~。ご実家に住んでると言ってたけど、家族と何かあったかな。

もともとお嬢さん育ちだとご自慢はされてるけど、おっとりとはしてないから、

いわゆる「代々続く、落ち着いた優雅なご家系」ではない気がする。

たとえばお母さんも、き~っ! とされてるのかしら……娘さんを見る限り、ありえるな……それ。

  ↓(第二段階)

それに、「後輩には八つ当たりしてOK」というのが彼女の常識だとすれば、

彼女自身は、ずっとそういう環境だったのか? かなり上流系の「育ちのよい」方々が行く短大、

さらにはがんばってそこの大学に編入したって言ってたけど……。

ゆがんだお嬢様たちがお友達だったのか。確かにちょっと、世俗からは離れてそうな学校だもんなあ……。

それが当たり前だった可能性は、まったくない、とは言えない……。

  ↓(第三段階)

でもこれ、この部署だから、周りがおとなしくて大人な人たちだから、見て見ぬ振りしてるけど、

仕事上、いろいろな外部の人とも組むよ……? この調子でいくとこの先、どこかで痛い目に

合われるだろうなあ……。そういう因果応報、絶対くるよね、このお局っぷりじゃあ、いつか。

どうせ後輩の私が今、戦っても、彼女にとっては家族の問題か、これまでの「常識」なんだから、

効果があるとは思えないしなあ……。うん、じゃあ、私がわざわざ、どうこう言って戦う必要もない。

彼女にミスをつっこまれないよう、気をつければいいんだ。それ以上は、関わらないでいいや。

仕事のミスに気をつけるのは、私にとってもいいことだし、彼女の機嫌が悪いときに、

私も必ず、気分が悪くならなくちゃいけない理由はない。だってここは、職場だもん。

とまあ、こんな感じ。

要はね、推測でもいいのだ。「どうして」をどんどん掘り下げて考えてみて、

それがなんとなく当たってそうで、自分が理解しやすければ。

いくつか考えていくと、相手が「黒く」なる原因が、「自分にあった場合」と「相手自身にあった場合」とを

分けて考えられるようになる。で、自分に原因があった場合はそこを反省し、気をつければいいわけで、

それ以外の部分はもう、相手の問題なのだ。自分が巻き込まれたり、全部を負ったりしなくていい。

……実際、噂では数年後、彼女に因果応報もやってきたそうだ。しかも、やはり外部から! 

よくできてるよね(^^;)

自分に悪いところがあったら、そこは素直に反省しよう。

決して「悪い」というレベルではなかったのなら、相手の背景、これまでの人生なども推測しつつ、

相手との「価値観・捉え方・考え方の違い」であることを、自分自身が納得できるようにする。

自分の問題と相手の問題を分けられて、まずは自分が落ち着ければ、それでいいのだ。

もし推測が当たっていたとしても、相手に気づいたことを伝えるかどうかは、そのときの状況次第だし、

それをする必要も、本当はないのかもしれない。相手の問題は、相手が解決すべきことであって、

「私が指摘して、解決してあげなくちゃいけない」ことではないかも、と思う。

とはいえ、家族など本当に近い存在には、「言ってみたほうがいいかも」という点があるかもしれない。

でも、それは少なくとも「相手に言葉が届くタイミング」でないと、意味がないのだ。

これ、身内にはとくに、サラッとやっちゃうのだ。私も以前、母に対して気づいた点を、そのとき、その瞬間に

つい、言い返してしまったことがあって……。母はちょっと怒ってる最中だったから、案の定「何を言ってるの!」と

激怒させちゃった(^^;) その瞬間には「ヘ理屈」に聞こえたんだろうね。あああ、ごめんよ、母ちゃん。

まあ幸い、その後で何か感じてくれたようで、同じような小言は言われなくなったけど……。

相手の黒い感情に巻き込まれて、自分も感情的にならないこと。自分の問題と相手の問題を分けること。

私もまだまだ修行中だけれど、よっぽど黒い感情が湧くような出来事でない限り、

たとえば普通のケンカの最中なら(笑)、落ち着けるようになってきた。

それに、過去の「黒い人」との出来事についてはだいぶ、いろいろ分けて考えられて、

自分のことも相手のことも、大目にみられるようにはなってきた気がするなあ。

あと、本当はこれ、自分自身を振り返るときにも、ちょっと応用できるのだ。

その話はまた、明日にでも……。

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