最後に、今の時期にぜひ、少しずつでも食べてほしい食材について。
春野菜は、解毒効果が全般に高いのだ。
まず、うど、せり、ふき、といった春の山菜は、とくに「溜まったものを排出する」パワーが高いとされる。
これらの軽い苦みは、脳に刺激を与えてくれるし、身体を目覚めさせてくれる。
また、一説では肝臓によい、つまり疲れがとれる効果もあると言われている。
ただし、アクがあって繊維質も多いため、胃腸の悪い人は、食べ過ぎは禁物。
日経新聞 栄養豊富な春の山菜、苦みが胃腸の働き促進(3ページの記事)
そして、山菜以外の春野菜も、デトックス効果が高いとされている。
日経ヘルス・日経ウーマン 春の解毒野菜ランキング (第1~4回、シリーズもの)
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/special/20100225/106023/
肌に良い云々以前に、新陳代謝が良くなる=体温が上がる、排泄しやすくなる、疲れが出ていく、ということなのだ。
これらの野菜をなるべく多くの種類、食べていくことで、冬の寒さで縮こまっていた身体が、力を取り戻していく。
そして身体が楽になってくると、心の縛りも、少しほどけていくのだ。
これは体験してもらわないと、実感できないことだけど。香味系の野菜はとくに翌朝、身も心も軽い。
山菜はあく抜きのために「下ゆで」が必要だが、あとは塩ゆでするか、薄切りなどをオリーブオイル等で
軽く焼いて塩、こしょうをふれば、だいたいの野菜は、それでおいしく食べられる。
新タマネギは辛みが薄いので、生のままスライスして、しょうゆと鰹節をかけても十分おいしい。
山菜は小麦粉を水で溶いて塩をちょっと混ぜ、それを衣に天ぷらをつくると、火の通りもよく、味わいやすい。
天ぷらがイヤなら、衣ごと、鍋に多めの油を入れて焼けばいいのだ。
これに、昨日書いた簡単汁ものと、白いご飯。海苔か納豆でもつければ、まずは十分だろう。
繊維質が多いので、量もそれほどたくさんは食べなくてすむし、「身体にいいことしてる!」という気持ちが、
自分にとって、ちょっとしたご褒美のように感じられるはず。
そういうところから始めてみて、ご飯食に身体が慣れてくると、お魚もつけようかな、とか、
鶏肉を少し、卵を少し、などと、たんぱく質を摂りたい欲(笑)も、出てくる。ボリュームがほしくなるのだ。
そこまでいけば、しめたものである。ご飯を楽しめるということは、心にも、とてもいい栄養を与えてくれるから。
せっかくの春。ちょっとずつでも、回数は少なくても、少し自分に優しくしてあげて、春の温かさを
食でも、心でも、味わってもらえたら……と、心から願う。