心の傷の深さは 受けた者にしかわからない
14歳のとき そう詩に書いてくれた友達がいた
失恋した私への 慰めの言葉だったけれど
その歳でそれを書いた彼が 子どもながらに
どんなつらさを体験してきたのだろうと
逆に驚いて 友達のことを心配したのを覚えている
傷つく心は 大人になっても持っているもので
大人なんだから 男なんだから
そんなことは 何も関係ない
とくに鬱という病になれば
ものごとを楽しく捉えにくい脳になるから
傷もつきやすいし 深くなりやすいし 忘れにくいのだ
そしてそのことをまた 自己卑下の材料にしてしまう
でもね
それは病の症状で この病になれば誰しもが陥る状態で
あなただけが特別ダメだから 傷ついてしまうわけではない
本当に 病になったら誰でも
つらさがより深くなってしまうのだ
だからどうか 自分がダメだと卑下しないでいてほしい
普通のときなら 気分転換して
忘れたり 気持ちを切り替えたりできるけど
今はそれも難しいからよけいに
深く 重く 傷つくの
その理由が 脳の働きの狂いにあって
あなたがことさらダメだから というわけではないことを わかってほしい
鬱のときの傷は ふだんより深く
その傷の深さは あなたにしか わからないもので
あなたが自分で その状況を 自分にゆるしてあげることが
今は いちばん大切だから……