まず、単純な原理として。
自分を信じている人は、周囲の人にとって
「自身を確立させている人」のように感じられます。
これって何かというと
「自信がありそうな人」に思われる、ということです。
何かが優れている、とか
何かができる、ことが
あなたを輝かせるのではありません。
そこ「だけ」に、しがみつくと、
「会社では人柄も実績もすごく評判がいいのに、
家族にはものすごく暴君なお父さん」みたいな
人間像が表れます。
つまり「「ある程度安定した『心地良くてラクな自分』を保てない人」になります。
それってどういう状態なのか、というと
「これがないと『素晴らしい自分』ではいられない」という依存なのです。
その人自身の『本来の輝き』を、自分の内側以外の、
何か他のものに預けてしまっているから、そうなります。
何を言ってる! 外側の何かで自分を良く見せることこそ、
素晴らしいんだ! と言い張る人ほど、偏っています。
どこかの本で読んだ話ですが、
たとえば「地位や稼ぎ」に依存してしまう人の場合、
「好きな女の子を誘うのに、自分の年収を証明できる書類を見せる」
などという変な行動に出ます。中身で勝負できないのです。
中身と外側、という点で言えば、
やたらと自分の身体の線を強調して、
自慢げに見せびらかしたりするのも、そのひとつかもしれません。
そんな「外側の、いつかは衰えてしまう、変化するもの」だけに頼って、
何を得ようとしているのでしょうか。
「自慢する心」と「自分を信じることで勝手に輝きを放てること」は、
まったく別ものだということが、
たぶん、理解できていないのだろうと、私には感じられます。
そして、こっちの『外側の何か』では、うまくいかなかった、
だったら今度は、この外側にチャレンジしてみよう、
そうすればこれが得られるはず!
たとば「いい人」に巡り会えるはず!
という感じで、いつまで経っても、
「外側のもので、さらなる良さげな、外側のものを釣ろうとする、
そうやって外側のものを増やそうとする」サイクルにはまります。
もし身体を得られたら、次は良いパートナー、
次はお金、地位、環境、所有物、かな?
外側への欲望は「上には上がいる」ことばかりを意識させ、
「もう十分、本当に満足」という気持ちに
させてくれることはないでしょう。
ずっとどこか不安で、ずっと何かが不満で、ずっと足りない。
そりゃそうです。
だって外側のものはいつだって「消える」可能性があるからです。
結局、自分を信じられないことが依存を生み、
そのせいで他者からの誤解を生み、
その人自身も「他者を偏って理解する」
ことへとつながります。
常に損か得か、しか考えないので、その視点で他者にも接する。
そして自分の内側を「自分で安心させる」ことよりも
「もっと外側に見せびらかせそうなもの」を得ようとするのは当然です。
ま、そういう人は、もしかして
ビル・ゲイツくらいのレベルになれれば、
ちょっとは満足するかも知れませんね。
どうしてもそうしたいなら、それはまあ、がんばってみてください。
でも、もし。
この「外側の欲を満たすだけ」のゲームにはまり、
自分のことをウザイとかダメとか嫌いとか言っている限り、
本当の安定も満足も平穏も落ち着きも
『自分には』
訪れることがないんだ、ということに、
少しでも、気づき始めているのなら。
このやり方、なにかおかしい、と感じ始めているのなら。
なぜ私がここまで
自分のことを嫌ったままでいるか
あるいは嫌いな面を持ったままでいるのか
という部分の解きほぐしを、オススメします。
一部であれ、自分を嫌った「状態」でいることが
どれほどの不自然さを生んでいるのか、というところに
注目し始めてみてください。
内側が変われば、
ビル・ゲイツには、すぐになれなくとも、
少なくともあなたの「世界」が変わります。
そして、「今のようなビル・ゲイツ」になる代わりに、
「新しいタイプのマザー・テレサ」や
「新しいタイプのジョン・レノン」や
もしかしたら「まったく新しいタイプの、
既存の有名人の誰にも似ていない素晴らしい人」に
なれるかもしれません。
それもすべて、あなたの内側「だけ」から、
生まれる可能性があること。
あなたの外側でなく「内側からしか、生まれ得ないこと」です。
外側に頼って生きるか、自分の内側を知る旅に出るかは
その人次第でしょうが、
少なくとも、外側に頼ることをやめれば、
外側の何かを失っても、
自分を「消してしまいたくはならない」で済みますよ。
外側だけでなんとかしようとすると、
その目指した外側を何か失ったとき(地位、立場、人間関係、財産など)、
すぐに意気消沈して、
今まで以上に自己卑下して、
またはきっかけになった相手を罵倒して、
最後には自己を消したくなる、という
不毛な下向きのサイクルにはまることになります。
もし、そのサイクルから抜け出したければ
なぜ私は、こんなにも
自分を嫌っているのか
外側の何かを得るゲームをいったん、中断して、
こっちを本気で「冷静に」分析し始めてみることを、オススメします。
この探求も、なかなか味わい深いですよ。
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